ソロキャンプの道中で二股ラジウム温泉へ!

キャンプ・コラム
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これも私が20代半ばころの相当昔の話です。
ソロキャンプで道南方面に向かう道中、どうしても立ち寄りたかった温泉が黒松内町にある「二股ラジウム温泉」でした。
当時は、木造の古びた温泉宿で、浴室はドーム状の不思議な建物(?)で、とても温泉があるとは思えないような外観であったことや、北海道では珍しいラジウム泉であったことから、ぜひとも一度は入ってみたい温泉でした。
ちなみに私の記憶だと、たしか地震か何かでドームが崩壊したために改築されており、今となっては、あのドームを見ることができないようです。

道東にある自宅を出発してから2日目、ようやく憧れの二股ラジウム温泉にたどり着きました。
宿の前には、温泉を管で引いてきて、そのお湯をジュースの瓶に浴びせていました。
宿の人に聞いてみると、この瓶に湯の花が付着するらしく、これに水やお酒を入れて飲むと体にいいとのことでした。
宿の中では、この湯の花がびっしり付着した瓶を販売していたのを記憶しています(確か買ったはず…ですが、なぜか手元にありません…)。

そんなこんなで、さっそく日帰り入浴を楽しみました。
ドーム型の内湯は、月面みないな感じ(月にはいったことありませんが…)で、異世界に来たような気分で温泉につかることができました。
内湯を楽しんだ後、露天風呂に行くと、年配の男性数人が楽しそうに談笑しながら温泉につかっていました
おいらがお湯に入るなり、年配の方々から話しかけられ、
「若い(注:当時20代半ば…)のに温泉が好きなんだね」
などと言われておりました。
色々と雑談をしていたのですが、この露天風呂につかっている年配の男性全員が「末期ガン」らしく、最後の望みとして湯治に来ているとのことでした。
しかも、リーダー的な感じの男性は九州から湯治に来ているとのこと。
おいらとしては、
「この温泉は、かなり効きそうだな」
と思いつつも
「末期ガンの方たちは、湯治生活を楽しんでるんだなぁ」
などと思っていました。
そのうち、話題は雑談から、「ガン」をテーマにした「おやじギャグ大会」になっていきました。
さすがにおいらは、この状況で冗談を言うことはできませんでしたが、みなさん「おやじギャグ」の応酬と「バカ笑い」で、すごく盛り上がっていました。

ちなみに「あんたは、どこか体に悪いところがあるのか?」
と聞かれたので、
「あたま~!」
と即答したら大ウケしました。(今考えるとつまらん…)


当時のおいらは若かったので「人の生と死」について、深く考えたこともなかったのですが、この時は、色々と考えさせられました。
「自分が自らの死期を悟ったときは、このぐらい楽しく明るく過ごしたいな」
と心底思ったのを記憶しています。

あまりにも「おやじギャグ」で盛り上がっていたので、なかなか温泉から上がることができず、のぼせてきたので、
「すいません、先にあがりますね」
と言って、先に上がったのですが
みなさん、それぞれ
「キャンプがんばってね」
とか
「満喫して来いよ~!」
などと声をかけてくれたのですが、
「んじゃ、またな~」
と皆さん言っていました。
「この人たち、みんなガンだけど、まったく諦めてないんだな」
と感じました。
「おいらも将来は、こんな爺さんになりたい」
そう思った若き日の一日でした。

しかし、おいらも毎年「爺さん」と呼ばれる年に近づいています(当たり前か…)。

将来、おいらも「面白い爺さんだね」って思われるような爺さんになれるかな?

では、また次回に続きます。

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